論文 - 竹野 忠弘
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シンガポールの労働市場動向 査読あり
竹野忠弘
大原社会問題研究所雑誌 464 ( 4 ) 15 - 19 1997年07月
担当区分:筆頭著者 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
単著 シンガポールにおいては、事務作業においては対岸のジョホール州・マレーシアからの、また作業においてはインドネシア、パキスタン、バングラデシュからの外国人労働力依存している。加えて銀行・保険・金融業においては、香港さらには外国籍の華人・外国人の労働に依存している。こうした政策的な外国人労働力の職業階層的な受け入れの現状とそれの就業・入国を規制する法的制度の運用について、現地の労働省、労働組合ナショナルセンターの研究所、入管局施設、現地シンクタンク、大学研究所の訪問、資料収集ならびにインタビューに基づき取りまとめた。
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マレーシアにおける日系企業の人材開発活動の事例研究:国際分業戦略の展開と現地人材の育成の現状と課題 査読あり
竹野忠弘
名古屋工業大学紀要 48 ( 4 ) 105 - 120 1997年03月
担当区分:筆頭著者 掲載種別:研究論文(大学,研究機関等紀要)
単著 マレーシア政府による主に技能者育成教育制度および職業資格制度の体系と実施状況成果、今後の政策展望について、マレーシア人的資源省での聞き取り調査および現地進出日系企業工場見学・日本人技術者への聞き取り調査によりまとめた。なお研究は、日本・英国・マレーシア・シンガポールの間の工業技術者・技能者の公的育成・資格制度の国際比較とそれによる相互の技術者・技能者人材の取り組みの向上をめざす、拙研究の一環として行った。日本型制度はOJT中心に主に特定の会社の仕事の体系を多面的に修得していく制度である。これに対して英国型は職業職種別にモジュールとなった技能資格の習得を目指す制度となっている。経営はそうした資格・モジュールを組み合わせてなされる。マレーシアでは日本より、シンガポールでは英国よりという差はあるが、日本のあり方と英国の在り方を折半して展開する方式、日本就業経験そのものも資格の一部をなすという、緩やかな職業資格制度展開となっている。
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マレーシアにおける人材開発体制の現状 査読あり
竹野忠弘
国際開発研究 5 ( 237 ) 63 - 80 1996年12月
担当区分:筆頭著者 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
単著 マレーシアにおける技術者・技能者教育をめぐる教育制度を概観するとともに、その職業資格制度の概要について示した。英国流の資格制度を核とする職業資格制度・教育制度の運用が、日本就業経験そのものを資格をみなすことによって緩やかに展開している現状を示した。
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日本における産業構造の変化と能力開発 査読あり
竹野忠弘
名古屋工業大学紀要 47 ( 241 ) 147 - 160 1996年03月
担当区分:筆頭著者 記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(大学,研究機関等紀要)
単著 外国の職業資格制度を軸とした職業教育制度との国際比較検討にむけて、足元の日本の制度や企業における人材育成の取り組みについて概観することが本稿の目的である。日本における職業能力評価は、欧米流の排他的な入職資格によらない。日本の職業関連の公的資格は、危険物取扱などのような特定の仕事をこなすうえでの要件資格となっている。実務上の職業能力については就業現場の現状に対応してOJTによって個別・柔軟になされる。したがって人材育成は会社組織を担う人材の育成を起点にしている。こうした中で個人を基点とする「能力開発」をどのように位置づけるか検討した。
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英国における人材開発政策をめぐる争点 査読あり
竹野忠弘
名古屋工業大学紀要 46 ( 236 ) 111 - 122 1995年04月
担当区分:筆頭著者 掲載種別:研究論文(大学,研究機関等紀要)
単著 英国における人材育成政策・制度の体系について全体像の理解ならびに職業資格と個人との関係、経営における活用などの運用面の現状と課題をまとめることを目的に検討した。英国型は職業職種別にモジュールとなった技能資格の習得を目指す制度となっている。経営はそうした資格・モジュールを組み合わせてなされる。
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外国人労働者受け入れ政策の現状-マレーシア、シンガポールにおける事例(下)- 査読あり
竹野忠弘
世界経済評論 37 ( 5 ) 40 - 49 1993年05月
担当区分:筆頭著者 記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
単著 東南・南アジアにおける域内国際労働市場の進展について、マレーシア・シンガポールを軸にその需給の全体の流れを整理した。ちなみにシンガポールは外国人労働力の階層的な受入国である。マレーシアはプランテーション労働については受入国であるが、製造業労働や事務労働については送出国である。インドネシアやバングラデシュ、パキスタンが受入国になっている。なお日本や台湾、韓国もこうした外国人労働力の受入国となっている。すなわち東南・南アジアの国際労働力移動圏・海外出稼ぎ労働市場圏は東・東南・南アジアにおよぶ。したがって外国人労働問題は、単に不法入国・不法就労の問題だけでなく、それと関係する就労条件や賃金支払いの格差・不正などアジア全域にわたる国際問題にいたっている。
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外国人労働者受け入れ政策の現状-マレーシア、シンガポールにおける事例(上)- 査読あり
竹野忠弘
世界経済評論 37 ( 4 ) 56 - 61 1993年04月
担当区分:筆頭著者 記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
下巻箇所に「概要」記載
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情報化現象としてのCIMの評価
竹野忠弘
経済評論 42 ( 4 ) 48 - 67 1993年04月
記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
単著 電信通信手段での「情報」やり取り、いわゆる「情報化」の進展によって対面でのコミュニケーションが代替されると考えられてきた。しかしながら「情報化」の結果、対面でのコミュニケーションはむしろ増加していることが「情報化統計」と「運輸統計」とを対照する検討によってあきらかになった。すなわち、FAXやパソコンなどの電信電子機器の普及という「情報化」の進展と連動して旅客数の移動や貨物量などのコミュニケーションに関わる統計値も増加していた。その背景には、これまでの電話と手紙による情報伝達に代わってFAXでの地図や図表の電送が可能となることによって、人的なコミュニケーションの機会が増加・加速化されたことがあることが推論された。「情報化」は既存の経済活動・市場を代替するというよりも、その新たな可能性を開くものであるという展望が得られた。
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資本の国際化と多国籍企業の戦略-自動車部品の国際分業計画の事例検討 査読あり
竹野忠弘
東京都立工業高等専門学校研究報告 28 ( 4 ) 105 - 118 1993年03月
担当区分:筆頭著者 記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(大学,研究機関等紀要)
単著 1990年代初頭における、日系自動車メーカー3社によるASEAN地域における部品の域内分業戦略の展開について分析した。ASEAN地域諸国の自動車産業形成という視点から見ると、マレーシアにおける国内乗用車組立・販売を軸とする国産車政策が成功モデルとして展開する一方で、タイでは北米およびASEAN域内の輸出市場向け組立・販売を軸にした域内国際分業を軸とした国際分業モデルが模索されている。マレーシアの自動車産業モデルでは、国内乗用車市場むけを一社に集約することで自動車生産における「規模の経済性」を確保する国産車政策が取られ、さらにあらたな小型乗用車モデル・第2国産車の投入が図れていた。まさにマレーシアと提携するM社では、同時に同国以外のASEAN諸国、特にタイを中心に北米乗用車輸出にむけた域内国際分業戦略を展開していた。これに対して、N社はタイにおける商用車小型ピックアップトラック生産販売を軸に域内部品調達としての国際分業戦略を、T社はASEAN最大の人口大国インドネシアへの自動車国産化を軸に特にエンジン生産の同国とタイでの分業を軸とする域内分業モデルを模索しはじめていた。1980年代の自動車国産化政策モデルの結末としては、国内市場の一社への絞り込みモデルの成功と限界の結果としての①完成車の域外輸出と②部品の域内分業であった。
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経済発展論の思潮-南北問題の再考- 査読あり
竹野忠弘
東京都立工業高等専門学校研究報告 27 ( 180 ) 85 - 94 1992年02月
担当区分:筆頭著者 記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(大学,研究機関等紀要)
単著 南・途上諸国は「周辺資本主義」、すなわち植民地化開発による①プランテーション作物栽培地への国土・農地の改造や②一次産品生産に特化した「不均衡」な経済構造に立脚しながら、北・先進国との経済取引関係、国際市場経済に参加している。こうした北・先進国に対して不利な条件を立ちながら、なおかつその先進国の多国籍企業との経済関係・分業関係に依存しながら、南の諸国が経済発展を図っていくためには、南北間の経済取引の公正化や国際秩序を求めるだけ、多国籍企業の活動・製造工程そのものの経営実態そのものの分析が必要であることを明記した。
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アジア地域における自動車産業の国際分業の展開(下) 査読あり
竹野忠弘
世界経済評論 33 ( 6 ) 60 - 65 1989年06月
担当区分:筆頭著者 記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
単著 1980年代末に至る、東南アジア地域における日系自動車メーカー3社の海外直接投資活動およびASEAN諸国の自動車産業の成長の動向を整理した。その結果、ASEAN諸国の自動車産業間で競合が発生するとともに、各国の部品生産の成長を制約する「規模の経済性」問題が発生した。その問題解決に向けて、日系3社が主導する形でASEANの多国間政策調整スキームとして部品の相互補完という形での自動車部品の域内国際分業計画が企業戦略として提起されるに至った。1970年以降、10年ごとにASEANにおいて競合を解消手段として国際分業政策が提起されてきたが分業部品の交渉をめぐって対立関係が繰り返され、国際分業による相互依存・共通市場圏という工業化の枠組みに疑問が提起されることになった。
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アジア地域における自動車産業の国際分業の展開(上) 査読あり
竹野忠弘
世界経済評論 33 ( 5 ) 61 - 67 1989年05月
担当区分:筆頭著者 記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
下巻箇所に「概要」記載。
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周辺資本主義の生産様式 査読あり
竹野忠弘
早稲田大学大学院経済学研究科 1985年03月
担当区分:筆頭著者 記述言語:日本語 掲載種別:学位論文(修士) 出版者・発行元:早稲田大学大学院経済学研究科博士前期課程
単著 世界経済システムとの連携による途上国の経済発展の可能性について検討した。従来、国際貿易にともなう先進諸国企業との「不等価交換」が文字通り経済=国際取引上の価値の国際流出を生みその結果、途上国の社会産業の発展を阻害することが指摘されてきた。これに対して本研究では⑴こうした経済取引=交易に起因して発生した途上諸国内部における産業「不均衡発展」にむしろ問題があること、その結果、⑵多国籍企業との間で「不平等」な取引関係に立たざるを得ないことを、経済発展論に関する理論書ならびにアフリカ・中南米についての調査文献から整理検討した。以降の研究課題として、産業、特に製造業のバランスの取れた構造像とその構築政策の調査研究という以降の研究の課題を得た。