科研費(文科省・学振)獲得実績 - 玉木 徹
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研究課題/領域番号:22K12090 2022年04月 - 2025年03月
科学研究費補助金 基盤研究(C)
玉木徹
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
配分額:4160000円 ( 直接経費:3200000円 、 間接経費:960000円 )
本研究の目的は,動画像理解のための時空間特徴量を取得する新しい方法論を構築することである.様々な動画像認識において空間的な情報と時間的な情報を,時空間情報としてひとまとめで扱う事が多いが,本研究が目指すのは,空間情報と時間情報を高いレベルで分離するというアプローチである.単に別々に特徴量を抽出するのではなく,様々な動画認識タスクに応用するために,時間と空間の情報を関連させつつ分離するために,所望の性質を満たす特徴量を設計するという枠組みを提案する.
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消化管内視鏡画像解析の客観的指標に基づくリアルタイム診断支援システムの開発
研究課題/領域番号:20H04157 2020年04月 - 2023年03月
科学研究費補助金 基盤研究(B)
小出 哲士, 田中 信治, 玉木 徹
担当区分:研究分担者 資金種別:競争的資金
配分額:900000円 ( 直接経費:900000円 )
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消化管内視鏡画像解析による客観的指標の構築と汎用診断支援システムの開発
2017年04月 - 2020年03月
科学研究費補助金 基盤研究(B)
玉木 徹、小出 哲士, 田中 信治, 玉木 徹
平成30年度は、これまでに開発している大腸NBI拡大内視鏡画像のためのリアルタイム診断支援ハードウェアをベースシステムとして、非拡大画像と高精細画像をリアルタイム処理が可能なアーキテクチャを開発することを目指した。具体的には、以下のコア技術を開発し、検証により改善を行った。
まず、局所・大域特徴量を融合した特徴抽出手法の開発を行った。非拡大画像や高精細画像では、識別領域が広範囲に及ぶため、これまでに開発しているDSIFTによる局所特徴のみでは、識別がうまく行かない場合がある。そこで,広範囲の病変部位等の構造に着目した大域特徴を抽出することが可能なCNNによる特徴抽出する方式を開発した。提案手法では、一般物体検出のためのImageNet画像データベースで学習済みのCNNとしてAlexNetを特徴抽出器として使用し、内視鏡画像に適用することで多次元の特徴ベクトルの抽出を可能とした。そして得られた特徴量を使用して、SVMによる病理タイプ分類を行う手法を開発した。
開発したCNN特徴とSVM分類を適用した診断支援システムをカスタマイザブルなDSPコアであるTensilica Vision P6 DSPコアに実装し、ソフトウェアとハードウェアの観点から評価・検証を行った。特に本研究では、内視鏡の動画像処理に向けたシステムの処理性能の改善のために、システム全体の処理サイクル数のプロファイリングを行い、改善の影響が大きい処理の特定し、その改良を行った。その結果改良前と比較して処理サイクル数を70%削減することができ、200 MHzでシステムを動作させた場合に約41 fpsのフレームレートを実現することが可能となり、入出力処理のシステムオーバヘッドを加味してもリアルタイム処理が実現可能であることを示すことができた。 -
2016年06月 - 2021年03月
科学研究費補助金 新学術領域研究(研究領域提案型)
玉木 徹、橋本 浩一, 木村 幸太郎, 妻木 勇一, 竹内 一郎, 前川 卓也, 玉木 徹, 依田 憲, 高橋 晋, 飛龍 志津子, 小川 宏人
領域運営協議:計画研究代表者による領域運営会議を開催し、領域全体としての計画や実施方法などに関して議論した。
技術的支援:A01制御工学:橋本G、前川G、依田Gの共同研究を支援し、イベント駆動型防水ログボットによるデータ収集を行った。A02データ科学:竹内 G、前川Gと依田G、飛龍G、高橋G、小川G、木村Gの共同研究を支援し、海鳥、線虫、コオロギなどの動物のナビゲーション解析が可能な機械学習プログラムを開発し、これらの成果は論文として発表済み、あるいは投稿中である。
融合的若手研究者育成支援:領域の共通技術に関して統計解析相談会,イベント駆動型ログボット講習会,深層学習による軌跡分析ツール講習会,無線マイコン講習会、若手横断合宿を実施した。
各分野の学会への組織的な展開:本領域の融合研究のための体制を領域外の関連分野研究者にも広げるため、下記の企画を実施した。領域主催国際シンポジウム(International Symposium on Systems Science of Bio-Navigation 2018@同志社大)、国際会議(HCII2018招待セッション@米国、BiRD2019@京都国際会館)および国内学会(日本動物学会公募シンポジウム「システム科学的アプローチで迫る動物ナビゲーション」(北海道胆振東部地震により大会中止)、日本生態学会シンポジウム「生物移動に対する新たな挑戦」2019年3月19日@神戸)における企画セッションの運営、各学会論文誌・学会誌における連載・特集号(3件:日本ロボット学会誌、生物の科学遺伝、Advanced Robotics)。
広報活動:領域からの研究成果および上項目での分野融合的な取り組みの成果を、領域ウェブ、フェイスブック、ツイッターで発表した。また、サイエンスカフェ、テレビ報道などのアウトリーチ活動を行った。 -
ナビゲーションにおける画像情報分析基盤の整備とヒトの行動分類
2016年06月 - 2021年03月
科学研究費補助金 新学術領域研究(研究領域提案型)
玉木 徹、玉木 徹, 藤吉 弘亘
本研究では,本計画班の構成員が開発してきた最先端の映像認識技術に立脚し,野生動物やペットなどに装着したカメラから得られた映像や,人間が撮影した映 像など,これまでの映像認識技術では処理が困難な自己移動を含む映像を,安定かつ頑健に認識する技術を開発し,本領域における画像・映像情報分析のための 基盤技術を構築する.本年度の実績は以下のとおりである.
・前年度までに,B01生態学チームから提供された海鳥のGPU経路データを学習し,目的地までに至る経路を予測するための逆強化学習を利用した手法を開発している.これをさらに発展させて,GPS経路データの欠損部分を補完する手法を開発した.これにより,これまでは様々な原因で得られなかった経路情報が,データ駆動型モデルによりもっともらしい経路を出力することが可能になり,また補完経路を確率分布として出力することが可能となった.しかしこの手法は膨大な計算時間と多大なメモリ量を必要とするため,制度を保ちつつ計算コストを大幅に削減する手法を考案した.
・映像中の人物移動軌跡をいくつかのグループに分け(クラスタリングし),歩行目的地に応じて分割する手法を,さらに発展させた.これは前年度までに開発したベイズ推定に基づく手法である.それぞれの目的地へと到達する様子カーネル密度推定を用いて可視化し,どのような経路と目的地が頻繁に利用されているのかを把握することが可能となった.
・B01生態学チームから提供されたコウモリの音声データから3次元位置を予測する手法を開発した.屋内で飛行するコウモリの3次元位置を,20chのマイクロホンアレイで録音された音声信号から,回帰によって推定する深層ネットワークを提案し,20cm程度の誤差(RMSE)で推定することが可能となった. -
2014年04月 - 2018年03月
科学研究費補助金 基盤研究(B)
玉木 徹、玉木 徹, 向川 康博, 金田 和文, 檜垣 徹, 櫛田 貴弘
本研究は,等方散乱や単散乱ではなく,より現実に近い多重散乱をモデル化することのできる新しい光トモグラフィの手法を開発するものである.本研究は,物体内部で赤外線が散乱する様子をコンピュータグラフィクスで用いられている手法を用いて解析すること,そしてコンピュータビジョンのアプローチにより逆問題を解き,物体内部の様子を推定することである.本研究では,物体の上部1点から光を入射し,物体の下部から出射する光を観測することで,物体の内部構造(つまり各点における光の消散係数)を推定する.この問題を,近似レイヤ多重散乱モデルを用いた制約条件付き最適化問題として定式化し,効率的な計算方法を考案した.
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診察時リアルタイム診断支援のための消化管内視鏡画像診断ハードウェアシステムの開発
2014年04月 - 2017年03月
科学研究費補助金 基盤研究(B)
玉木 徹、小出 哲士, 玉木 徹, 田中 信治, 吉田 成人, 吉田 成人
本研究では、高解像度画像(Full HD:1920×1080画素)の大腸NBI(Nallow Band Imaging)拡大内視鏡画像を、診察時にリアルタイムで患部の病理組織の状態を識別し、腫瘍を分類して、医師へ提示する診断支援CAD(Computer-Aided Diagnosis)システムのための基盤技術開発を行った。
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消化管内視鏡画像解析による客観的指標の構築と診断支援システムへの応用
2012年04月 - 2015年03月
科学研究費補助金 基盤研究(C)
玉木 徹、吉田 成人, 玉木 徹, 小出 哲士
内視鏡技術の進歩によりさまざまな画像診断機器が開発され、その臨床的意義が徐々に明らかになってきている。コンピュータ支援診断(computer-aided diagnosis: CAD)は、コンピュータによって分析された定量的な数値を医師に提示することによって、診断の正確度を向上させることが期待されている。本研究では消化管内視鏡画像のコンピュータ画像解析を行い、病理組織診断を反映する定量化が可能である事を示し、CADの開発が可能である事を明らかにした。
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2011年 - 2013年
科学研究費補助金 若手研究(B)
玉木 徹、玉木 徹
「カメラの位置姿勢推定」とは,さまざまな応用場面で必要となる重要な技術であり,カメラ映像から「撮影している人は今どこにいるのか(位置)どこを向いているのか(姿勢)」を認識することである.本研究では,画像情報や復元された3次元情報からカメラ位置姿勢を高速に推定する手法の開発を目的とした.本研究の成果として,カメラ映像から2次元特徴量を抽出し,既知の3次元シーンから抽出した3次元特徴量と対応を取ることで,カメラの姿勢推定を行う方法を開発した.もう一つは,カメラ映像などから復元した3次元シーンに対して,既知の3次元シーンとの対応を取る頑健な方法を開発した.
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学習に基づく姿勢推定における画像変化の解析と3自由度への拡張
2008年 - 2010年
科学研究費補助金 若手研究(B)
玉木 徹、玉木 徹
本研究はカメラを用いた物体の姿勢推定(認識)手法の開発を目的とし,学習を行う姿勢推定において,線形の範囲内での理論的な発展と,新たな手法の開発を目指した.まず,1自由度の回転姿勢に対する姿勢パラメータと画像ベクトルとの関係を実験的に明らかにした.次に,自由度の回転姿勢を扱うための最適な姿勢パラメータと,理論的な考察を行い,球関数を用いた新しい姿勢表現と,回転行列の高周波情報を利用する手法を提案した.
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2008年 - 2010年
科学研究費補助金 基盤研究(C)
玉木 徹、金田 和文, 玉木 徹
従来の低いダイナミックレンジ画像(LDRI)での写実性を超えた、超写実性光学表現を可能とする表面下散乱モデルの構築とその表示手法を開発した。単散乱だけでなく2重散乱も考慮して表面下散乱現象をシミュレーションする手法を開発し、入射角や物質パラメータが変化したときの表面下放射照度分布を求めた。そして、その分布に基づいて表面下放射照度分布を精度よく補間し、ハイダイナミックレンジ画像(HDRI)として表示することにより写実性の高い表現を行う。
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2005年 - 2006年
科学研究費補助金 若手研究(B)
玉木 徹、玉木 徹
本研究の目的は、画像処理により屋内や屋外に配置されたカメラ映像を解析して、人物の位置やその動向を認識するシステムを開発することである。本年度は以下に述べるように、構築するシステムのための基盤となる技術の開発を行った。
まず、カメラの映像に写る人物を頑健に追跡するために、人物の歩行軌跡の学習に基づく移動軌跡の予測と歩行経路の推定の手法を考案した。これは従来手法により予測された軌跡をより精度のよいものへと修正することを目的としたものである。通常は学習によって生成される固有空間では対応できない情報を、固有空間とは直交する零空間から情報を得ることで、さまざまな事前情報としての制約条件をみたし、かつ予測を行うという、これまでにないアプローチを採用した新規なものである。実環境における実験では、従来法よりも性能が向上したものの、期待した精度はまだ得られていない。この手法の性能を向上させるには前処理などの他の影響を考慮するべきであるということが判明しているので、今後は処理の総合的な改善を行う必要がある。
また単一カメラ映像から抽出・認識する対象が障害物に遮蔽されている場合に、安定して認識を行うための遮蔽検出と対象復元の技術の開発を継続し、処理性能を向上させた。さらに、人物や物体の見え方により認識する手法を開発し、高速な処理の実装方法を考案した。これを発展させ、多数の物体の姿勢を見えにより頑健に学習し推定する手法を開発することが今後の検討課題である。 -
2003年 - 2004年
科学研究費補助金 若手研究(B)
玉木 徹、玉木 徹
本研究の目的は,セキュリティやマーケティングに役立てるために,画像処理技術を用いて大規模な屋内・屋外施設での人物の位置を提供し,カメラ設置箇所のみならずそれ以外の場所であっても,その動向を認識するシステムを開発することである.
本年度の研究実績は,以下の二つである.まず一つ目は,前年度作成した,複数のカメラ映像中の人物認識を行い異なる映像間で同一人物かどうかの照合を行うシステムを,さらに拡張した.このシステムは,映像中の人物の抽出とその人物の情報を実時間で取得し,ネットワークを経由して中央処理サーバに転送する.サーバではそれらの情報を統合して,どの人物がどのカメラ映像中に現れたのかを,画像認識技術を用いて照合する.この照合のための理論的な枠組みを確率論により構築し,最適な人物照合を実現するアルゴリズムを導出した.これは,カメラ映像間の色や輝度,照明の変化による特徴量の変化を,キャリブレーションにより吸収することができる.また複数の人物の特徴量を用いる照合方法を導出し,新たな情報を容易に追加することができるシステムを実現することができた.
二つ目は,屋外に設置した固定カメラの映像から,交差したり追い越したり隣り合って歩く等,画像内に複数存在する人物を追跡し,その歩行する経路の予測を行う手法を開発した.この手法は固有空間法を用いて人物の移動軌跡を学習し,部分的な情報を元に将来の軌跡を予測することができる.また同時に,人物がどの歩行経路をたどるのかの推定を行うことが可能となった.また,固定カメラの映像に写る,認識に悪影響を与えるような障害物体を除去するための手法を考案した.これは,特殊な場合の周期的な遮蔽物体と,一般的な形状の遮蔽物体の両方について,そのモデル化を行い,認識を行うものであり,多数の実画像を用いた実験で良好な結果を得た.